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21/11/07 ユメモナクオソレモナク
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見て参りました。

ヱヴァンゲリオン破

 

今朝、目がさめるとそこは自分の部屋ではなく、勝手知ったる他人の部屋のソファーだった。部屋の空気には気化したアルコールが染みいていて、暑さとアルコールの甘い匂いのせいで頭が痛い。替えの服はないが家主が見あたらないのを良いことに、勝手にシャワーを拝借して体にへばり付いた汗を刮ぎ落とす。リビングに戻り、これまた勝手に冷蔵庫を開け、中からペットボトルのウーロン茶をそのままで飲み干し、ここで始めて時計を見た。


13:50

別段、時間に不満もなく、用事があるわけでもないが、無性に腹立たしくなり、アナログ時計の短針を180度、逆時計回りに回そうかと一瞬思い立ち、翌日その時計に気づいて慌てる友人を想像して悪くないと考えるが、くだらないと思いとどまった。そして、そのままやることもないので友人のノートパソコンの蓋を開いて、昨日途中で寝てしまった映画の続きでも見ようとして、ブラウザが映し出した情報に目を止める。


ヱヴァンゲリオン破 上映館


・・・・・・よし、観に行こう――――――――――――





などという葛藤があったわけではないが、とにかく観てきました、ヱヴァンゲリオン破は言わずとしれた劇場版二作目だが、今回は”破”という文字が、つまりは破壊がテーマらしく、旧来の出来上がってしまったエヴァをぶち壊そうという目標で作られた作品のようです。そしてその狙いは見事に達成されており、観に行った観客は二時間弱の時間を劇場で過ごし、幕が引かれ電気が灯り劇場が明るく照らされ出すと、皆一葉にその顔には興奮からくる笑顔が浮かんでいた。

かくいう俺もその一人で、二時間弱、一体何が起きているのか判らないほどに、ぽかんと間抜けな顔で見入っていた。

だが、こんなにもエヴァを壊しておきながらこのヱヴァは間違いなく、ヱヴァンゲリオンだった。

いくらマリが活躍しようとも、いくらシンジ君が屈強な漢になっていようとも、いくら綾波が幼くても、この謎から謎が生まれ、観ているものが納得したり、理解したりする暇もなく、次から次へと新たな展開を打ち出し、力尽くで私たちを魅せるこれは、紛れもなくエヴァだった。

次回作、Qも非常に楽しみだ。

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