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21/11/07 ユメモナクオソレモナク
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文章で勝負する人々の仕事が、言葉を弄することだけだと考えていては”レトリック”のなんたるかをあなたは理解していない。文章はその人の持つ固有のリズムで決まり実は変えようがないものなのだから。では一体どこで勝負をするのかというと、それは構成を除いて他にない。

この”マキアヴェッリ語録”とはマキアヴェッリが君主論、政略論などの数多くの著作の中で残した言葉を拾い集めたものだ。だが、何を選び、何を除いたか、という点では編集者意図を十二分に含んでいる。したがって、マキアヴェッリに触れようとする人はもちろんのこと、塩野七生という作家に触れるためにも有用な本だ。”ローマ人の物語”が書かれる一年前、ここで作家が何を考えていたのか。それを見るのもまた一興ではないだろうか。

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ローマ人の物語(1)へのレビューではシリーズ全体への大まかな感想の序を手習いとして書いてみた。文庫本はハードカバーの本を二つか三つに分けて出版されているのでこのようなぜいたくなレビューの書き方も許されるわけだ。

そこでここでは『ローマは一日にして成らず』への感想を書きたい。

このシリーズの一作目ではローマ人は驚くほど普通の民族だ。というのも彼らを見つめる俺の視点はすでに多くの偏見を手にしてしまった現代人だからだ。

だが当時の人々にとってはローマ人とは驚くほどに興味深い特質、いやもはや性癖と言ってもいいだろうものを持っていた。そしてそれらの特質はその後のローマ人の所業すべてにわたって関係してくる。

まさにこの第一巻の扱う時間でローマという民族。いや、ローマ人という集団の性格は決定したようだ。

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この塩野七生による連作『ローマ人の物語』は出版関係者による論評では”優秀なリーダーの指南書”というものになっている。

が、これは作中で作者本人が『教育大全』と出版したクィンティリウスタキトゥスに対してタキトゥス言葉を引用したようなものだ。

作者はこの言葉を引用した。

「クィンティリウスは教師たちの話のつまらなさを後世に残すことには成功した。」

結果としてリーダー論になったとはいえ、この本がつづったものはタイトル通り古代ローマ人の諸行だ。そして個々のローマ人にスポットライトを当てる上でそれが国家の指導者により光を当てるようになるのは自明のことだ。したがってこのような評価につながったのも結果としてはうなづける。

だがクィンティリウスと決定的に違ったのは、この本を読むときには”退屈”ではなく、リーダーたちの目を通して見ることのできる色彩と躍動感に溢れた古代ローマの世界への”憧れ”を感じることであった。

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