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21/11/07 ユメモナクオソレモナク
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ヘミングウェイ著の短編集。

小説ではなく自身の思い出のエッセイがジャーナリスティックな名文で綴られている。20代で駆け出しの頃のヘミングウェイの身辺などが当時のパリの様子とともに彩り鮮やかに書かれ、特に”ロストジェネレーション”という言葉を作ったガートルードスタイン、ヘミングウェイの友人にして自身優れた小説家だったスコット・フィッツジェラルドとの親交が中心となっている。

不勉強にしてロストジェネレーションの意味をそれまでは、第一次世界大戦の痛手を受けて”失われた世代”と考えていたが、ここでようやく”自堕落な世代”という意味であることを知った。なるほどなー。
まぁ、そんなロストジェネレーションと呼ばれる青年期を第一次世界大戦の影響下で過ごし、働き盛りの時代にオイルショックを味わった不運にして屈強な世代を代表する一冊。名文ということを強調するのは高見浩の訳が秀逸であっただけでなく本人の他の短編と見比べても読みやすかったからで、乾いた砂に水が浸透するようにあっさりと読めた。

ところで、俺たちのことは世界的に見てジェネレーションYに分類されるらしいわよ。

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人間が緩やかに衰退した後の世界が一体どうなってゆくかについて思いを巡らせたことは誰しもあるだろう。

だがこの本の面白いところは”今この瞬間に人類が消え去ったら世界はどうなるのか?”に焦点を当てている。『The Future is wild』のように生物の進化というある意味最も不可思議な領域に手を出すことをこの本では行っていない。なぜならこの本には最も確実なことのみによって未来を予測しようという哲学がある。そしてその哲学は同時に読者へ差し伸べられる丁寧な説明にも現われている。私たちに対して作者は自然とは一体どういったものであるかを説きつつ、そこから導き出される未来予測を楽しく手ほどきしてくれる。

劇的な話にならないように淡々と簡潔に語られた文章だったが、内容は刺激的だった。

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圧倒的”人間性”を持つ最も神に近い人間、真賀田四季成長の過程。

一体何が人間であるのか、という足もとが崩れ落ちる感覚を味わった。狂気ではなく、これが人間であること。人間性の矛盾を浮き彫りにする真賀田四季の物語第二編。14度目の夏、彼女は両親を殺す。

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『スカイ・クロラ』シリーズの四冊目であり、時系列上の第三番目。
シリーズの主役、草薙水素(クサナギスイト)ではなく、彼女の弟子ともいえるキルドレのパイロット、栗田仁朗が主人公。彼はこの作品が登場二作品目となる。

今作では、女性エースパイロットとしてある意味普遍的キルドレとは言い難い草薙水素に代わり、一般的(といっても腕は十分良い)なキルドレパイロットである栗田の視点で、栗田自身の死生観などがこれまでの作品同様に描かれている。

一方で、次作以降物語が加速する要因をいくつか残している。時系列上のこれ以降の作品、『クレイドゥ・ザ・スカイ』と『スカイ・クロラ』でキルドレと草薙の核心に迫るための布石となる物語でもある。

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『すべてがFになる』にはじまるS&Mシリーズにおける最重要人物、真賀田四季博士の人生を描く”四季”シリーズの第一作目。

この小説を読むにあたって一つ大事なことは、あらゆる超常現象など存在しない。科学を信じるべきだ。というと却って宗教的なニュアンスになり本懐と逆をいってしまう。

徹頭徹尾疑うこと。あらゆることを。

そこで初めてこの作品に振り回されることなく読み進めることができるだろう。できればじっくりと読んで欲しい。

年齢にして未だ小学校に通うにも満たないが、相手はあの真賀田四季だということをお忘れなく。

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森博嗣著”S&Mシリーズ”の最後の作品。

講談社から発表された第一作『すべてがFになる』(本当はこれは第三作にあたる)と対になっている。あちらの副題が『the Perfect Insider』に対してこちらは『the Perfect Outsider』となっている。どちらの副題も様々な解釈が存在しているので副題に込められた想いをどのように紐解くかは読者次第。

そして『すべてがFになる』と同様に、最も重要なポイントは、この作品には天才真賀田四季が登場するということ。相変わらず四季女史と犀川の接触したときのやり取りは秀逸。もちろん犀川&萌絵のやりとりも顕在。個人的には四季女史が登場する作品は中だるみが少なく、最後まで一気に読み切ってしまうという疾走感があると思っているので、文庫本で約850ページという量もまるで気にならない。

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森博嗣『スカイ・クロラ』シリーズの時系列上二番目の作品。

この巻では草薙水素(クサナギスイト)がどういった経緯でパイロットから部隊指揮官へと変わって行ったかを、水素の死生観と空に対する想いを交えながら描かれている。何故、空を飛ぶのか、何故、生きるのか。そして決定的なのは、成長もせず老いて死ぬことのないキルドレの彼女にとって死とは何か。それを描いた作品。

多くの小説家にとってそうであるように、森博嗣もまた物語の結末を見据えながら作品を書いているのではないと思う。もしキルドレという老いと成熟から見放された生命といえるかどうかも怪しい曖昧な存在があったら、そしてもし自分がその存在そのものであったなら一体どのように考え、どのように生きただろうか。それを作者自らが自問しながら書いているように感じられる。

一読者として、自分もまたキルドレだったならばどうやって生きただろうか、と考えるのも愉快かもしれない。

幸い、他の巻に比べてこの『ダウン・ツ・へヴン』(Down to Heaven)は『スカイ・クロラ』シリーズの世界についての情報が多い。愉快な寄り道のガイドになってくれるだろう。

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森博嗣『スカイ・クロラ』シリーズの第二作目。時系列で並べた時の一番初めの作品。

この物語では『スカイ・クロラ』シリーズ全作品に出てくるキルドレ、草薙水素(クサナギスイト)のパイロット時代に焦点をあてて書かれている。

人の人生においては、ある年齢までに積み上げてきた何かがその後の全てを決定すると言われている。それは多くの格言などが示している通りだ。

この作品では草薙水素の人生における、その後の人生を決定した”何か”が描かれている。

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我が心のバイブル。

新撰組副長土方歳三が活躍するさまを描いた作品。決して史実に忠実とは言えないが、この本を読めば土方歳三という人物に惚れこんでしまう。

ただ惜しむらくは、俺はこの本を読んだ直後にユリウス・カエサルと出会ってしまったことだ。上には上がいる。

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身体はエロゲとレッドブルで出来ている・・・・。
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